協力・共同作業で伸ばす 7歳児の思考力アナログゲーム選び
協力・共同作業が育む子供の思考力
子供たちが成長する過程で、論理的思考力や問題解決能力は非常に重要です。これらは一人で考える力として捉えられがちですが、他者と協力し、共同で課題に取り組む経験を通じてさらに豊かに育まれます。特に7歳頃の子供は、ルールを理解し、簡単な戦略を立て、友達や家族と協力して遊ぶことへの関心が高まります。
このような時期に協力・共同作業を促すアナログゲームを取り入れることは、子供の思考力育成において大変有効な手段となります。協力ゲームでは、プレイヤー同士が敵対するのではなく、共通の目標達成を目指して力を合わせます。このプロセスを通じて、単に自分の手番を進めるだけでなく、チーム全体の状況を把握し、仲間の状況を理解し、互いに情報共有しながら最適な行動を選択するという、複雑で高度な思考が自然と養われます。
協力ゲームが思考力に繋がる理由
協力ゲームは、子供の以下のような思考スキルを育むことに貢献します。
- 情報共有と状況把握: 自分の持っている情報だけでなく、チームメイトが持っている情報を聞き、全体像を理解しようとします。これは、多角的に情報を集め、状況を正確に把握する力の基礎となります。
- コミュニケーション能力: 目標達成のために、自分の考えや次の行動を伝えたり、相手の意見を聞いたりする必要があります。分かりやすく伝える力、相手の意図を汲み取る力といったコミュニケーション能力が鍛えられます。
- 問題解決と戦略立案: 共通の課題や問題をクリアするために、チームで議論し、最善の進め方や役割分担を考えます。多様な意見を調整し、一つの戦略にまとめる過程は、問題解決能力や計画力を高めます。
- 柔軟な思考: 予期せぬ状況や仲間のミスが発生した場合、柔軟に対応し、代替案を考える必要があります。状況の変化に応じて考えを修正する適応力が養われます。
- 共感性とチームワーク: チームの一員として、仲間の成功を喜び、困難を分かち合います。他者への共感や、チームとしての一体感を感じる経験は、社会性を育む上で重要な要素となります。
7歳児向け協力アナログゲーム選びのポイント
7歳のお孫さんと一緒に楽しむ協力アナログゲームを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 対象年齢の確認: パッケージ等に記載されている対象年齢を参考にします。7歳を少し超える対象年齢でも、ルールが比較的シンプルであれば挑戦できるものもあります。
- ルールの難易度: あまりに複雑なルールは、子供の集中力を削いでしまう可能性があります。基本ルールが分かりやすく、遊びながら応用を学べるものが望ましいです。
- プレイ時間: 子供の集中力に合わせて、短時間で終わるものから、少し時間をかけてじっくり取り組めるものまで様々です。初めての場合は短時間で達成感を得られるものがおすすめです。
- 協力要素の種類: 単純に皆でサイコロを振って進めるタイプ、情報共有が鍵となるタイプ、役割分担が重要なタイプなど、協力の仕組みはゲームによって異なります。どのような力を伸ばしたいかに合わせて選ぶことも可能です。
- 子供の興味: 図鑑や物語が好き、特定のキャラクターが好きなど、お子さんの興味関心に合わせたテーマのゲームを選ぶと、より楽しく取り組めます。
おすすめの協力ゲーム例とその思考力への繋がり
具体的にどのようなゲームがあるのか、いくつか例を挙げ、それらがどのように思考力に繋がるかを解説します。
- カードゲーム「ハウトゥーリメンバー」: 複数のカードを組み合わせて、全員で協力して特定の形やパターンを作ることを目指すゲームです。どのカードを誰が出すか、どのように組み合わせるかを話し合う過程で、情報共有、共通理解の形成、計画力が養われます。ルールはシンプルで、視覚的な思考力も使います。
- ボードゲーム「パンデミック:接触」: 世界中に広がる病原体を、プレイヤーたちが協力して治療し、ワクチンを開発するゲーム「パンデミック」の子供向けバージョンです。各プレイヤーはそれぞれ異なる能力を持つ専門家となり、自分の手番で何をするか、チームとして次に何を目指すかを話し合います。状況判断、役割分担、優先順位付け、短期・長期的な計画立案といった、高度な問題解決スキルが育まれます。
- 脱出ゲーム形式のカードゲーム: 「EXIT」シリーズや「アンロック!」シリーズなど、謎解き要素が強い協力ゲームです。プレイヤーは協力して暗号を解き、パズルをクリアし、物語を進めます。ヒントを組み合わせる論理的推論、情報を整理して関連性を見出す力、複数人で同時に情報を処理する力などが鍛えられます。(これらのシリーズは年齢が高いものもありますが、子供向けの簡易版も存在します。)
これらのゲームは、いずれもプレイヤー間のコミュニケーションと協力を前提としています。「自分の手番だけ考えれば良い」という個人プレイとは異なり、「チームとしてどうすれば成功できるか」という視点が不可欠です。
一緒に遊ぶ際の工夫
お孫さんと一緒に協力ゲームを遊ぶ際に、思考力をより引き出すための工夫をいくつかご紹介します。
- 一緒に考える姿勢を見せる: 「どうしたらいいかな?」「次はこれをしてみようか」など、一緒に悩んだり、考えを巡らせたりする姿を見せます。一方的に指示するのではなく、一緒に考えるパートナーとしての関わりが重要です。
- 意見を尊重する: お孫さんが考えたことや提案したことに対して、「なるほど、そういう考え方もあるね」と一度受け止め、尊重する姿勢を示します。たとえそれが最善の策でなかったとしても、自分で考えることを促します。
- 質問を通じて思考を深める: 「どうしてそう思ったの?」「もしこうしたらどうなるかな?」など、問いかけを通じてお孫さんの思考プロセスを促します。自分で答えを見つける手助けをします。
- 失敗をポジティブに捉える: うまくいかなかった場合でも、「惜しかったね」「ここから何を学べるかな?」など、失敗を次に活かすための声かけをします。失敗は悪いことではなく、学びの機会であることを伝えます。
- 役割分担や情報共有を促す: 状況に応じて、「〇〇君はこれを担当してくれる?」「△△ちゃんの持ってるカードについて教えてくれるかな?」など、自然な形でチームプレイを促します。
これらの関わりを通じて、お孫さんは単にゲームを楽しむだけでなく、協力することの価値や、チームで考える面白さを学び、思考力を実践的に磨いていくでしょう。
購入場所について
協力アナログゲームは、様々な場所で購入することができます。大型の百貨店の玩具売り場や、近年増えているボードゲーム専門店では、実際に商品を見て店員さんに相談しながら選ぶことができます。また、多くのオンラインストアでも豊富に取り扱われています。ゲームのルールや対象年齢、プレイ風景などを詳しく確認できるため、選び方の参考になります。お子さんの興味や実際に手に取ってみたいという気持ちに合わせて、様々なチャネルを検討してみてください。
まとめ
協力・共同作業を必要とするアナログゲームは、7歳頃のお子さんが論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、そしてチームワークといった多角的な思考力を育む上で大変有益です。お孫さんの興味や成長段階に合ったゲームを選び、一緒に遊びながら、ぜひお子さんの思考力を引き出す関わりを試してみてください。ゲームを通じた楽しい時間の中で、お子さんの大切な思考力が伸びていくことでしょう。