複雑な情報を単純化 7歳児の抽象化思考力育成ゲーム選び
7歳児の抽象化思考力とは アナログゲームを通じた育成の可能性
子供たちの成長において、論理的思考力と並んで重要になるのが「抽象化思考力」です。これは、物事の本質を見抜き、複雑な状況や情報を整理し、単純化して捉える力です。特に7歳頃になると、具体的な思考から徐々に抽象的な思考へと移行する準備が進みます。
抽象化思考力は、例えば複数の事例から共通のルールを見つけ出したり、目の前の具体的な物事を言葉や記号といった概念に置き換えたりする際に用いられます。この力は、学習においてはもちろん、日常生活で問題解決に取り組む際にも基盤となります。
アナログゲームは、子供が楽しみながらこの抽象化思考力を自然と養うための有効な手段です。盤上の駒を特定の役割を持つシンボルとして認識したり、カードに描かれた絵や数字を特定の概念として扱ったりすることは、まさに抽象化のプロセスそのものです。
7歳児の抽象化思考力を育むアナログゲームの特徴
7歳児向けの抽象化思考力育成を意識したアナログゲームは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- 具体的な要素から抽象的なルールへ移行するゲーム: 最初は目に見える物の操作から始まり、徐々にその物の持つ意味や役割といった抽象的なルールに焦点を移していくゲームです。
- 分類やグルーピングを促すゲーム: 形、色、数、機能など、複数の基準で物を分類したり、共通点を見つけてグループにまとめたりするゲームは、抽象化の基本的な訓練になります。
- パターン認識や規則性の発見を要するゲーム: 一連の要素から隠された規則性を見つけ出し、次に何が来るかを予測するゲームは、具体的な事例から一般的な法則を導き出す抽象化思考力を養います。
- シンボルや記号を扱うゲーム: 文字、数字、特定のアイコンなどが、具体的な物事や概念を置き換えるシンボルとして機能するゲームは、抽象的な情報処理能力を高めます。
具体的なゲームタイプとその選び方
抽象化思考力育成に繋がるアナログゲームには、様々なタイプがあります。いくつか例を挙げ、選び方のポイントを解説します。
1. パターン認識・規則性発見ゲーム
- 特徴: 並べられたタイルやカードの規則性を見つけたり、次に続くパターンを予測したりします。数字や図形、色の変化などが題材になります。
- 抽象化思考との繋がり: 具体的な要素の並びから、その背後にある抽象的な「規則」や「法則」を見抜く力。
- 選び方: 7歳児には、視覚的に分かりやすいパターンから始まり、徐々に複雑になるものが適しています。繰り返し遊ぶことで、より早く規則性を見つけ出す訓練になります。対象年齢表示を確認し、無理なく取り組める難易度を選びましょう。
2. 分類・集合ゲーム
- 特徴: 様々なカードやコマを、指定された基準や自分で見つけた基準に基づいて分類したり、特定のグループに集めたりします。
- 抽象化思考との繋がり: 多くの具体的な物事から、共通する性質や概念（抽象的な属性）を取り出して整理する力。
- 選び方: 分類する基準が明確なものから始め、慣れてきたら複数の基準を組み合わせたり、自分で分類基準を考えたりするゲームに挑戦すると良いでしょう。日常生活で身近なものを題材にしたゲームも、思考と現実世界を結びつけやすく効果的です。
3. シンボル・概念置換ゲーム
- 特徴: カードに描かれた絵が特定の行動や概念を表したり、コマの色や形が特定の役割を示したりするなど、具体的な形が抽象的な意味を持つゲームです。
- 抽象化思考との繋がり: 具体的なシンボルを、それが表す抽象的な概念と結びつけて理解し、操作する力。
- 選び方: シンボルが表す意味がシンプルで分かりやすいものから始めましょう。ゲームが進むにつれてシンボルの種類が増えたり、組み合わせによって意味が変わったりするものは、より高度な抽象化能力を養います。
一緒に遊ぶ際の工夫とヒント
ゲームを通じて抽象化思考力を効果的に育むためには、一緒に遊ぶ大人の声かけや工夫が大切です。
- 「これは何を意味するかな？」と問いかける: カードの絵柄やコマの色などが、ゲームの中でどんな役割や意味を持っているのかを言葉にして確認する時間を持ちましょう。
- 「共通点は何だろう？」「仲間分けしてみよう」と促す: 複数の要素を見て、なぜそれが同じグループに入るのか、どんな共通点があるのかを考えさせます。最初はヒントを与えながらでも構いません。
- 間違えても「なぜそう考えたの？」と尋ねる: 結果だけでなく、子供がその答えに至った「考え方」に焦点を当てます。考え方のプロセスを言葉にすることで、思考を整理し、抽象的な理解を深める手助けになります。
- 「もしこれが〇〇だったら？」と条件を変えてみる: ゲームのルールや要素の一部を仮に変更してみることで、その要素が持つ抽象的な意味や機能について深く考える機会を提供できます。
購入場所について
これらのアナログゲームは、様々なお店で見つけることができます。
- 専門のボードゲームショップ: 多様な種類のゲームがあり、店員さんに相談しながら選べる場合が多いです。
- 大型のおもちゃ屋さん: 定番から新作まで、比較的幅広い品揃えがあります。
- 書店: 知育玩具コーナーやゲームコーナーを設けている書店も増えています。
- オンラインストア: 多くの種類から比較検討でき、レビューを参考にすることもできます。
いずれの場所で購入される場合も、対象年齢やゲームの特徴、教育的な側面に関する情報を確認することが大切です。実際に手に取って、ゲームのコンポーネント（部品）が7歳児にとって扱いやすいかどうかも確認すると良いでしょう。
まとめ
7歳児の抽象化思考力は、今後の学習や問題解決において非常に重要な土台となります。アナログゲームは、この力を遊びながら無理なく、そして楽しく育むための素晴らしいツールです。ご紹介したゲームタイプや選び方、一緒に遊ぶ際のヒントを参考に、お子様、お孫様と一緒に楽しみながら、複雑な世界をシンプルに理解する力を育んでいただければ幸いです。