キッズ思考トレジャー

7歳からの多角的な視点育成 アナログゲーム選びの要点

多角的な視点とは何か、なぜ子供に重要なのか

子供たちの成長において、「多角的な視点を持つ力」は非常に重要な思考スキルの一つです。これは、物事を一つの角度からだけでなく、様々な方向から捉えたり、自分以外の立場の考えを想像したりする能力を指します。例えば、ゲーム中に相手がなぜその手を選んだのかを考えたり、一つの問題に対して複数の解決策を検討したりすることなどがこれに該当します。

7歳頃の子供たちは、自己中心的な視点から少しずつ他者の存在や考えを意識し始める発達段階にあります。この時期に多角的な視点を養うことは、論理的な推論能力を高めるだけでなく、コミュニケーション能力や共感性を育む基礎ともなります。異なる意見や状況を理解しようとする姿勢は、将来的に複雑な問題を解決したり、多様な人々と協力したりする上で不可欠な力となります。

アナログゲームは、対面でのやり取りや物理的な要素を通じて、この多角的な視点を自然に育むための素晴らしい機会を提供します。ゲームのルールの中で、相手の動きを予測したり、協力者の状況を把握したりする過程で、子供たちは無意識のうちに様々な視点から物事を考える訓練をしています。

多角的な視点育成につながるアナログゲームの種類

多角的な視点の育成に特に効果が期待できるアナログゲームには、いくつかのタイプがあります。

1. 相手の行動や思考を予測するゲーム: 将棋やチェスのようなアブストラクトゲーム、あるいは特定のカードゲームやボードゲームなど、相手の戦略や次の手を読む必要があるゲームは、自然と相手の視点に立って考えることを促します。相手の手札を推測したり、盤面の状況から相手の意図を読み取ろうとしたりする過程で、子供は「もし自分が相手だったらどうするか」「相手は私がどう動くと予測しているか」といった思考を巡らせます。

2. 協力や役割分担が必要なゲーム: 協力型ボードゲームや、チームに分かれて行うゲームなどは、共通の目標達成のために他のプレイヤーの状況や考えを理解し、連携する必要があります。自分の役割だけでなく、他のプレイヤーの役割や置かれている状況を把握することで、全体を俯瞰し、最も効果的な行動を選択する力が養われます。コミュニケーションを通じて情報を交換し、お互いの視点を共有する経験も重要です。

3. 情報が限られている中で推理・判断するゲーム: 探偵ゲームや特定のカードゲームのように、断片的な情報から全体像を推測したり、他のプレイヤーが持つ情報を考慮して判断したりするゲームも有効です。自分が持っている情報だけでなく、他の人が知っているかもしれない情報や、ゲームの状況から推測できる可能性を多角的に検討することで、より正確な結論にたどり着くための思考プロセスを学びます。

7歳児向け 多角的な視点育成ゲーム選びのポイント

7歳児に適した多角的な視点育成ゲームを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

• 複雑すぎないルール: ルールが難解すぎると、ゲーム自体を楽しむ前に挫折してしまいます。7歳児が無理なく理解でき、かつ考える余地のあるシンプルながら奥深いゲームが理想的です。
• 明確な目的とフィードバック: ゲームの目的が分かりやすく、自分の行動や他のプレイヤーの行動の結果が視覚的に把握しやすいものが、思考と結果を結びつけやすくします。
• プレイヤー間の相互作用: 相手の行動が自分の状況に影響を与えたり、他のプレイヤーと協力したりする要素が強いゲームは、多角的な視点を持つ必要性が高まります。
• プレイ時間の適切さ: 子供の集中力に合わせて、短時間で決着がつくものから、少し時間をかけて考えるものまで、幅広く揃えると良いでしょう。

一緒に遊ぶ際のポイントと遊び方の工夫

ゲームを通じて子供の多角的な視点をより効果的に育むためには、一緒に遊ぶ大人（祖父母など）の声かけや工夫が大切です。

• 問いかけを促す: ゲーム中に「〇〇ちゃんは今どう思っているかな？」「相手は次に何を考えていると思う？」のように、他のプレイヤーの気持ちや意図を想像する問いかけをしてみてください。答えが出なくても、考えるきっかけを与えることが重要です。
• 別の可能性を探る: 一つの手が思いついた時に、「他の手だったらどうなるかな？」「もし〇〇だったらどうする？」のように、複数の選択肢や状況を検討するよう促します。
• 自分の考えを言語化させる: 子供がなぜその手を選んだのか、何を考えたのかを言葉で説明してもらう時間を設けます。「〇〇だと思ったから」「相手が△△すると思ったから」のように、自分の思考プロセスを振り返る練習になります。
• ゲーム後の振り返り: ゲームが終わった後に、「今日のゲームはどうだった？」「あの時、なぜうまくいった/いかなかったと思う？」と振り返りの時間を持つことも有効です。他のプレイヤーの視点や、見落としていた状況について話すことで、新たな気づきが得られます。
• 楽しむことを最優先に: 何よりも大切なのは、子供がゲームを心から楽しむことです。勝ち負けにこだわりすぎず、考えるプロセスそのものを褒め、ゲームを通じたコミュニケーションを楽しんでください。

ゲームの購入場所

今回ご紹介したようなアナログゲームは、主要なオンラインストアや、大型の玩具店、ボードゲーム・カードゲーム専門店などで見つけることができます。対象年齢やゲームのタイプ、レビューなどを参考に、お子様に合ったゲームを選んでみてください。専門店の店員さんに相談するのも良い方法です。

まとめ

7歳頃からの子供の多角的な視点育成は、論理的思考、問題解決能力、そして他者理解やコミュニケーション能力の基礎を築く上で非常に価値のある取り組みです。アナログゲームは、遊びながら自然にこの力を養うことができる有効な手段と言えます。ゲーム選びに迷われた際は、本記事でご紹介した「相手の予測」「協力・役割」「情報推理」といった要素を持つゲームを参考にしてみてください。そして、ぜひお子様と一緒に遊びながら、豊かな対話を通じて思考を深める時間を楽しんでいただければ幸いです。